レアアースについて

レアアース(希土類)は、元素周期律表の原子番号57番から71番までの15元素(ランタノイド※1)と21番のスカンジウム(Sc)、39番のイットリウム(Y)を加えた17元素の総称です。
1794年に、スウェーデンで発見され、当時は極めて希少な物質と考えられたために「レア(希=稀れ)」な「アース」(土類)と呼ばれたことが、レアアースの語源になっています。

※1 ランタノイド=ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm、天然には存在しません)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)

「レアアース」は「レアメタル」と混同されることがありますが違います。レアメタルは経済産業省の区分では47元素であり、明瞭な定義はありませんが、資源量や分離精製が難しく、自動車や電子製品など身の回りのハイテク製品に広く使われる元素になります。このレアメタル47元素のうちの17元素だけがレアアースです。
各元素は化学的性質が似ていて、鉱物中から常に一団となって発見されます。他方で各元素ごとに特徴的な電子的、物理的特性を応用した多様な用途があり、「ハイテク産業のビタミン剤」などと呼ばれ、今日の人々の暮らしを支えております。
天然資源中にはレアアース元素群は混然一体として存在していますが、使う時には各元素ごとに分ける必要があります。しかし化学的性質が似ているので、その分離精製には高度な技術が必要になります。